日立造船株式会社様

日立造船株式会社様
会社名 日立造船株式会社様
設立 1934(昭和 9)年 5月29日
所在地 〒559-0034
大阪市住之江区南港北1丁目7番89号
従業員数(連結) 11,540名(2022年3月31日現在)
売上高(連結) 4,417億円(2022年3月期)
事業内容 日立造船の事業は、「環境」「機械・インフラ」「脱炭素化」を軸に脱炭素社会の実現と気候変動対策というグローバルな社会課題の解決に向けて貢献しています。
●環境事業
ごみ焼却発電施設、海水淡水化プラント、上下水・汚泥再生処理プラント等
●機械・インフラ事業
フィルター、プレス、精密機械、産業装置、橋梁、水門、煙突、防災関連機器等
●脱炭素化事業
舶用エンジン、脱硝触媒、プロセス機器、水素発生装置、メタネーション装置、風力発電等

調達本部及び現場担当者様に
MonotaRO利用の効果についてお話を伺いました

日立造船株式会社 (写真左から)調達本部管理部 廣岡 毅様、萩原 崇博様 

日立造船株式会社(写真左から)調達本部管理部 廣岡 毅様、萩原 崇博様 

※社名は取材当時。同社は2024年10月よりカナデビア株式会社 へ社名変更

1.日立造船グループのビジョン、ミッション

【自社技術を応用して幅広い事業にチャレンジ】

(萩原様)当社は、社名に「造船」とありますが、2002年に祖業である造船事業を分離しました。造船の技術を応用して、あらゆる分野の事業にチャレンジし続けています。現在は、世界的な人口増加に伴う廃棄物処理や水需要の増大に応える「環境事業」、「ものづくり」を通じて快適で安全・安心な社会の実現に貢献する「機械・インフラ事業」、そしてCO₂の削減技術やクリーンエネルギーの提供を通じて脱炭素社会の構築に貢献する「脱炭素化事業」を主な事業としています。

また、当社グループでは「クリーンなエネルギー・水の提供」と「環境保全、災害に強く豊かな街づくり」を軸に事業を展開しながらSDGsに取り組んでいます。
SDGsがゴールとする2030年は創業150年目にあたり、“サステナブルで、安全・安心な社会の実現に貢献するソリューションパートナー”を目指して活動をしています。

具体的には、当社の主力製品でもあるごみ焼却発電施設では、ごみの衛生的な処理と同時に発電を行い、温室効果ガス排出の削減に貢献しています。さらに、既存製品のごみ焼却発電や水素発生装置に加え、洋上風力発電、グリーン水素を用いたメタネーション装置などの実用化に取り組んでおり、これらの技術・製品を通じてカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

私が所属している調達本部では、当社製品に組み込まれる部品や工事発注・納期の管理を行っています。

2.WEB購買改革に着手したきっかけ

(萩原様)当社の調達プロセスとしては、製品に組み込まれる部品・機器・工事は、調達部門経由で購入しています。一方で、各現場で必要になった副資材等の少額購入品は調達部門を介さず、通販サイトやホームセンター・商社等から各自で購入し、経理部門に事後精算処理するケースが発生していました。

(図1)調達プロセス 2パターン

当社全体で業務効率化推進の動きがあり、各部門で業務を見直す流れのなかで、調達本部としては少額購入品の調達に着目しました。調達業務全体を棚卸しすると、こまごまとした少額購入品を通販サイトやホームセンター・商社から社内部門ごとに何度も購入するような取引が見られました。このような少額品発注の特徴として、処理件数は多いのですが、個々の注文金額は少額で、それらを合計しても全体の調達額に占める割合は非常に低いため、以下を業務効率上の課題と捉え、改善を試みようとしました。

【膨大な時間を要する発注及び経理処理作業】

(萩原様)発注処理・経理処理は、会計システムを通して処理しております。当社では個別原価計算で処理する必要があるため、発注処理時にはプロジェクト番号ごと、仕入先ごとに1件ずつ会計システムに入力していました。しかしこの運用は、発注件数が多ければ多いほど、システムへ入力する作業工数が多く、要求部門、調達部門、経理部門といった購入業務に携わる部門にて業務負担が大きくなっていました。そのため、これらの業務を改善することが業務効率につながるのではないかと考えました。

【適切な購入先・購入金額か不透明】

(萩原様)さらに現場で直接購入する少額購入品は、購入データが残っていないものも多く、そもそも適切な購入先・価格なのかも不透明な状態でした。同じ物品でも拠点により調達先が異なることから価格がバラバラなことも多々ありました。購入部門で比較検討することでもっと安く購入できたかもしれませんが、現場も多忙で相見積もりが手間であることから、馴染みのあるところで購入しているケースもあったと思います。
また、現場部門がホームセンターなどで物品を購買する際は、領収書で確認しますが、購入明細まで追うことも難しく、ガバナンス上の問題も感じていました。

これらの少額購入品の調達における課題を解決するためには、WEB購買が最適と考え、改革への着手を始めました。

3.モノタロウ導入、グループ会社への展開

(萩原様)調達本部では、少額品発注の業務効率化を検討するためのチームを発足し、効果的なツールを探していた際に、モノタロウの購買管理システム「ONE SOURCE Lite」を知り、導入を検討しました。

【取引データが扱いやすく、経理処理を圧倒的に削減できる】

(萩原様)ONE SOURCE Liteから出力できる注文データや請求明細データを当社会計システムへ一括アップロードするアプリケーションを当社で開発しました。データフォーマットは一般的なcsv形式で扱いやすいため、アプリケーション開発に特に支障はありませんでした。
これにより、注文申請時に入力したプロジェクト番号等必要な基本情報が請求データに反映される運用が実現でき、導入までの手間をかけずに、各部門が今までやっていた発注及び経理処理作業を削減できると考えました。

【無料でリスクなく導入できる】

(廣岡様)特に、導入費・運用費が無料という明らかなメリットが導入の決め手となりました。お試しで利用してみて、万が一失敗してもリスクがないことが社内上層部を説得しやすかったです。

導入決定後、実際のONE SOURCE Liteの社内導入がスムーズだったのは、当時の調達部門長をはじめ、トップダウンで進めてくれたことが追い風になったと感じます。

【社内マニュアルで社内浸透を促進】

(萩原様)ONE SOURCE Liteは、一般サイトmonotaro.comと同じ使い勝手なので、現場の担当者でも使い方のイメージは湧きやすいと考えていました。一方で、プロジェクト番号の記載など当社の独自運用ルールがあるため、調達本部でユーザーマニュアルやQA集を作成し、社内ポータルサイトで共有していきました。マニュアルでは、初めて利用する担当者も理解できるように表現方法を工夫しながら、ガバナンス強化、業務効率化への効果など導入によるメリットも盛り込み、訴求していきました。

【同様の課題を持つグループ会社にも展開】

(廣岡様)当社では、グループ会社との横のつながりを重視しているため、グループ会社調達部門のプラットフォームを通じて、少額購入品調達課題などを共有しています。そこで、ONE SOURCE Liteの情報共有を行い、利用を希望する際は、当社が窓口になる旨を案内しています。
グループ会社も同じ取引条件で利用できるため、グループ会社もメリットが享受できます。実際に利用希望の声をもらい、現状では5社(※)のグループ会社にONE SOURCE Liteを水平展開できております。

(萩原様)社内マニュアルも、当初はONE SOURCE Liteの社内利用浸透のために作成しましたが、長期的に見てグループ会社にも浸透の余地があると感じ、グループ会社にも展開しています。

(※)2022年11月時点

4.モノタロウ導入後の効果

【担当者の経理処理業務がゼロに】

(萩原様)ONE SOURCE Liteでは要求部門が注文時にプロジェクト番号等を入力することで、それが請求明細データに連動されるため、要求部門にて会計システムへ一注文ごとのプロジェクト番号等の入力作業が必要なくなり、購入業務に携わる各部門で膨大に発生していた経理処理業務が削減されました。

(図1)ONE SOURCE Lite注文申請画面

実際には、月次で600~800件ほどの注文があり、以前は一注文ごとに関連部門のトータル作業で約40分の時間を要していたため、約450時間の経理処理業務が発生していました。
ONE SOURCE Liteの導入によって経理処理業務がゼロになり、購入業務に携わる各部門の業務効率化が実現されました。

(図2)ONE SOURCE Lite導入前後イメージ

(萩原様)調達部門では、ONE SOURCE Liteから請求明細データをエクスポートし、当社会計システムに一括流し込むだけで簡単に半自動連携できるため、個別原価計算に対応できるようになりました。請求明細データに関しても、当社の独自ルールに合わせた仕様など細かい設定もモノタロウで対応くださるため、助かっています。

ONE SOURCE Lite導入直後と比較して、社内全体での利用量が3倍程度に伸びており、登録者も1,000名を超えており現場利用者も満足して使用していると実感しています。

【少額購入品の見える化によるガバナンス強化】

(萩原様)ONE SOURCE Liteを通してこまごまとした少額購入品も可視化することができているため、調達部門は各現場で何をいくらで購入しているかが把握でき、ガバナンス強化につながっています。また、何を購入しているか可視化されたことで、他部門ではもっと安いものを購入しているなど分析データを社内に横展開しやすくなり、コスト削減にもつながったと感じています。

(廣岡様)モノタロウ営業担当から利用実績をデータでいただけるので、データの一部を社内やグループ会社に共有しています。当社の購入データなどが蓄積されるので分析しやすいですし、活用しています。

(萩原様)モノタロウを導入したことで、商品カテゴリによって棲み分けを行い、最適な商品を適切なサプライヤから、適材適所で購入できるようになりましたし、要求部門の担当者も利便性を肌で感じているかと思います。

 

ーモノタロウの導入効果を、現場で購入する担当者の視点から語っていただきました。

【ネット調達により購買に伴う業務工数も軽減】

(高瀬様)私の業務内容としては、廃棄物処理施設の維持管理を行っており、主にモノタロウでは工具類、パッキンやガスケット等の消耗品、工事用部材、足場材などを購入しています。物品購入時には、当社と過去に取引があるか、部品の在庫の有無、価格、納期等の確認作業がネット通販であれば一つの画面確認で済みますが、商社や業者を経由して購入する際には電話やメールで一つ一つ確認する必要があり、大変手間がかかっていました。モノタロウの導入によって過去の購入履歴や価格など必要な情報が一目で分かるので、時間を短縮できるようになり非常に助かっています。

(平間様)今までは、些細な物品手配においても、注文書発行のための事務処理や調達部門を経由した手配が必要だったため、業務工数が多かったです。

見積取得を必要とする物品や調達部門を経由する物品も、モノタロウで見つかるため、調達部門への手配や当社システムへのプロジェクト番号等の入力作業が不要となり、購買・経理まわりの業務工数が大幅に削減されました。

また、品揃えの良さも業務効率化に寄与していると実感しています。例えば、配管部材など他のECサイトでは取り扱っていないものがモノタロウでは見つかるため、商品購入に不慣れであったり、商品に詳しくない担当でも、規格に沿ったものを購入できるため、現場にとって使いやすいと感じています。

(吉田様)私は新規設備の研究開発を担当しており、普段モノタロウでは工業用部品、事務所消耗品を購入しています。モノタロウの導入によって移動の手間がなくなり、必要な物品を探す際の業務効率が格段に上がったと感じています。今までは、作りたい装置等のイメージ図とメジャーを片手に近くのホームセンターに出かけていましたが、モノタロウで欲しい商品を検索すれば、規格の記載があるので見つけやすく、移動時間もなくなったため、探す手間が少なくなりました。

購入時、細かい寸法など、商品ページに記載のない情報を必要とする場合もありますので、今後はONE SOURCE Liteで利用できるチャット機能も活用して不明点を解消していきたいです。

5. 日立造船としての今後の取り組み

【環境・コストに配慮した購買活動】

(萩原様)ONE SOURCE Liteはすでに全社にて浸透しており、初期の課題解決は達成しております。次のステップとして、ONE SOURCE Liteの利用量をもっと増やしながら、環境やコストに配慮した購買活動に取り組んでいきたいと考えています。環境に対する取り組みとしては、再生紙の購入を推奨するようなサイト内での強調表示など、さらなる環境商品購入の推進を進めていきたいです。
また、コスト削減への取り組みとして、購入品に対してモノタロウさんの営業担当からは更に安価なモノタロウブランドを紹介いただいているので、更なるコストダウンに期待しています。

一方で、ONE SOURCE Liteの利用が増えることで、利用者から窓口となる調達部門へ利用方法に関連する問い合わせ対応も比例して増加しています。実際には、社員からの問い合わせ対応や事務処理作業など月10時間ほど業務が増加しているのが現状です。今後は利用する担当者に向けて、より分かりやすいマニュアルの作成やRPAの導入検討も進めていきながら、少額品発注業務の更なる効率化を目指していきます。

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