特別講師・八島俊彦氏登壇「複雑化する2024年だからこそ追求したい調達変革 調達DXの本質に迫る発想転換と実践方法」ウェビナーレポート
2024年2月9日に、ウェビナー「複雑化する2024年だからこそ追求したい調達変革 調達DXの本質に迫る発想転換と実践方法」をオンラインで開催いたしました。本ウェビナーでは、元NEC調達企画部門長、現在に至るまで国内外の調達やSCMなどの分野でご活躍されているコンサルタントの八島俊彦氏をお迎えし、2024年の調達重要課題を伺いました。
本レポートでは、セミナーの本編で八島氏に語っていただいた2024年の調達重要課題についてモノタロウ福島とディスカッションした内容のエッセンスをお届けします。
【目次】
- ・【第一部】2024年 5つの調達重要課題~“トータルコスト”の観点、生産性の向上など~
- ・【第二部】ディスカッション:調達物流のコントロール/調達の仕事に集中するための生産性
八島 俊彦
SSMリサーチ 代表
福島 広晃
株式会社MonotaRO
エンタープライズセールス部門
コーポレート営業第7グループ グループ長
【第一部】2024年 5つの調達重要課題~“トータルコスト”の観点や、生産性の向上など~)
国際紛争や景気の変化、そして国内の人材獲得難・人手不足による2024年問題など変化が激しくなる今年、調達業務で着目すべき課題を挙げていただきました。その中でも、調達において意識する必要がある課題、より具体的に取り組むべき5つの課題をご説明いただきました。
以下が八島氏に解説いただいた5つの課題についての詳細です。
1.トータルコストへの着目
トータルコスト(総コスト)とは、ものの導入費用だけでなく、導入・使用に付帯する様々な”コスト”を総じて量る考え方です。
調達においてはコストといえばどうしても購入価格そのものだけに目が行きがちですが、購入価格以外の物流の送料や品質の担保等も”コスト”として考える必要があります。
2.サプライチェーン上流の注視
自社のサプライチェーンについて考えるとき、以前のようにただ単に「在庫を最適化する」だけでなく、サプライチェーンの上流、相対するサプライヤーだけでなくその先のサプライヤーでも何が起きているのか、上流までさかのぼって課題を注視することが重要になります。注視するべき重要なキーワードは「入手性」「トータルコスト」「リードタイム」「環境・人権」と以前に比べても多岐な課題にわたります。
3.調達物流への主体的関与
「調達物流」とは、バイヤー側から見てサプライヤーから必要なものを調達するまでの流れ全体をとらえる言葉です。日本国内では、サプライヤーに任せておけば必要なものが届くサプライヤーの販売物流に依存しがちですが、バイヤー側が主体的に「自社に必要なものを調達するための対策をする」姿勢が今後必要になる、とお話いただきました。
4.サステナビリティ対応
サステナビリティ自体は数十年前から説かれていますが、その着目ポイントもアップデートされ、環境・人権への配慮等も調達において重要度が増しています。
5.生産性の向上
業務遂行において「今行っている業務が価値を生んでいるか?価値を生まない業務に追われていないか?」を見直すことが生産性向上の第一歩につながります。調達業務で生むべき価値は、調達活動のゴール・戦略を完遂することです。一方で、普段の煩雑な発注作業、処理作業などに追われ、戦略策定や実行にそもそもあまり注力できていない…といった方も多いのではないでしょうか。
この”Active-Non action”の言葉にはっとした、という視聴者の方のお声も多くいただきました。
生産性についても、後半のディスカッションでも詳しくお話しています。
【第二部】ディスカッション:調達物流のコントロール/調達の仕事に集中するための生産性
セッション後半のディスカッションでは、先にお話いただいた5つの課題の中から、特に3,5番に関連する「調達物流のコントロール」「調達の仕事に集中するための生産性の向上」の2つのトピックについて、モノタロウの福島も交えてさらに深くお話いただきました。
ディスカッション①調達物流のコントロール
はじめに、国際物流のリスクについて、現在では国際物流によく使われるパナマ運河・スエズ運河の情勢が影響するとお話いただきました。
- パナマ運河…環境の影響で現在、運河の水位が下がっているため、通行する船の数が制限されている
- スエズ運河…イエメンの組織による民間船の攻撃があり緊張状態
次に、国内における「2024年問題」についてお話いただきました。
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