購買担当者様、現場担当者様に
MonotaRO利用の効果についてお話を伺いました
東ソー物流株式会社(写真左から) 技術・安全本部 技術・設備管理室 車両管理課 課長 浜田様、技術・安全本部 技術・設備管理室 車両管理課 小田様、経営企画本部 経営管理室 総務・購買課 次長 購買担当 福永様
1.東ソー物流のビジョン、グループのミッション
【物流効率化に取り組む東ソー物流】
(福永様)東ソー物流は、1951年に東ソーグループの物流専門会社として設立されました。本社がある山口県をはじめ、国内主要地区9ヶ所に拠点を構え全国に物流網を構築し、陸上・海上輸送、倉庫保管、港湾荷役や運転補助業務、充填・包装業務の構内作業である生産物流、さらには船舶代理業、保険代理店業務まで多様なサービスを提供する総合物流会社です。親会社の東ソー株式会社が取り扱う化学薬品の輸送・保管に関する豊富な知識やノウハウが蓄積されているのが当社の特長です。また、海外事業の強化にも取り組んでいます。東ソー株式会社およびグループ会社が中国・シンガポール・マレーシアの新規海外ビジネスに取り組んでいるため、その海外物流体制構築を推進しています。
当社は、「物流をクリエイティブに」のスローガンのもと物流効率化に取り組んでいます。具体的には、全社配車システムや倉庫管理システムの導入により物流業務の効率化を行い、人手不足が深刻化する中でも働き方改革を推進してきました。
【購買担当のミッション】
(福永様)当社購買担当のミッションは、『購買業務に必要な基本的事項と手続きを定め、適切な物品を適切な取引先より適切な価格と納期で購入し、経営活動の効率的運営を図ること』です。具体的には、購買担当が倉庫や独身寮の建築、コンテナ大量購入などの見積依頼から価格折衝をしています。
最近の高額投資購買案件として、西日本最大規模を誇る最新鋭の化学品専用倉庫(りんかいA棟)の導入があり、物流効率化に大いに貢献しております。
私は、2018年東ソー株式会社購買部門から子会社である東ソー物流の経営企画本部経営管理室に異動し、購買業務を担当しています。東ソー在籍時、間接資材購買領域の課題を解決すべく、間接資材Web調達システムの導入を推進した経験があり、その後東ソー物流においては主に物流倉庫管理システムや業務依頼システムなどのプロジェクトに携わりました。
2.間接資材購買における課題
【子会社でも顕在化した購買課題】
(福永様)東ソー物流で購買業務を担当している過程で、間接資材購買の課題が顕在化していました。
【課題1:購買業務・経費処理業務の手間】
各事業所地区での物品購入として、地場の商社及び汎用品店から直接購入することがありました。また、ホームセンターに就業時間中に足を運び、物品を歩いて探していたため、購買に伴う業務工数が多いのが実情でした。カタログや電話で購入したいものを調べる場合も、「調査→見積→注文→納入→伝票処理」の手間は購入金額の割に大きく、さらには社内での少額購入品の件数は購入品全体の9割と多いため(※この領域をロングテールと呼ぶ。図1を参照)、改善の余地がありました。そのなかでも、物品購入側だけでなく、請求や支払い業務など経費処理側の工数がかかってしまっていました。
図1:ロングテール領域の説明
【課題2:購入品の価格が不明確】
いわゆる少額なロングテール商品は、必要に応じて現場それぞれの判断で購入しており、購入金額がバラバラな状態でした。一方で、工具や事務用品類を相見積りして購入するケースにおいても、同じ物品でも事業所によって発注先や見積金額が異なることで価格差が生じており、購買部門としては妥当な金額で購入しているのか不明瞭だったため、その部分も問題視しておりました。
これらの課題解決に間接資材Web調達システム活用が効果的なことは東ソーで経験済みでしたので、東ソー物流にも導入を進めることは自然な流れでした。
3.モノタロウ導入のきっかけ
【現場の声との親和性を感じたモノタロウ】
(福永様)元々は、ECサイトや地場商社を利用していましたが、間接資材購買の課題解決のために東ソーでも導入したWeb調達システム「べんりねっと」を導入しました。本社に加えてグループ会社もシステムを活用することにより、グループ特別価格で購入できるコストメリットも享受できると考えたため、東ソー物流でも同様に利用することを決めました。
Web調達システムの社内利用を浸透させるには、パンチアウトカタログサプライヤ接続が重要です。そのため、サプライヤ選定時には実際のユーザーとなる現場の声を第一に反映させるべくヒアリングを実施しました。そのなかで、各方面からモノタロウを要望する声が上がりました。元々monotaro.comを個別に利用していたケースがあり、特に「検索性が高い」と評判が良かったことから、パンチアウトカタログサイトとして利用しやすいと確信しました。また、当社の各拠点の業務で、修理保全に様々な部品や工具等を購入することが多く、モノタロウは品揃えの面でも非常に相性が良いと感じたため、接続サプライヤとしてモノタロウとの連携を決定しました。
4.モノタロウ導入後の効果
【購買業務をWeb調達に切り替えて実現できたこと】
(福永様)べんりねっと、モノタロウの連携により解決できたことは、大きく二点あります。
一点目は、購買業務、経費業務工数の軽減です。実際に数値化してみたところ、物品購入時に、今までは、ホームセンターに行って実際に探し、購入する物品を決定、上長の承認捺印を紙面上に得た後に、電話やFAX注文するなど、金額の割に多くの工数がかかっていた部分がWeb調達に変更されることで、伝票や書類の回付時間も含めて、一件あたり約60分以上の削減につながっていることが分かりました。(図2を参照)
また、当社の課題である各拠点の購入品や価格が明確になったことで、多種多様な発注先を利用する必要がなくなり、これまで購買担当に多く寄せられていた物品購入の手続き方法に関する問い合わせ数の削減に成功しました。
特に、経費処理業務については、大幅な改善効果を実感しています。Web調達システム導入後、しばらくは紙の請求書を受け取って出金伝票を処理していましたが、最近では基幹システムとデータ連携を開始したことで、データによって経費処理が自動化され、紙の請求書処理が不要となりました。
このように購買処理だけでなく、経費処理の業務負担も大幅に軽減され、その他の業務時間を捻出できるなど予想以上の効果がありました。
図2:処理工数比較(単位:min/件)
二点目は、コスト削減です。
価格の可視化が実現され、安価な商品を容易に見つけることができるようになりました。実際にはナショナルブランドの一部商品でも5%〜25%のコスト削減、モノタロウのプライベートブランド商品に切り替えた品目においては、50%ものコストを削減することができました。
こうして、可視化しづらい業務工数だけでなく、目に見える金額面でのコストも削減できたのは、大きなメリットだと感じています。
更に、Web調達では「電子承認機能」があるため、在宅勤務でもスピーディーに承認を得る仕組みを整えることができました。また、支払条件など契約に関する内容も一元化でき、現場の購買に関わる内容を購買担当が把握できるようになりました。以前は事後承認による現金での立て替え購入が多いことが課題でしたが、Web調達により現金の取り扱いも大幅に削減することができ、今まで以上にガバナンスの強化に繋がったように感じています。
【現場担当者ユーザーの声】
(小田様)私は、車両管理課にてタンクコンテナの保全業務を行い、課内で使用する部品や消耗品の手配と管理を主担当で行っています。
週に1〜2回の頻度で、べんりねっとを利用していますが、利用しているサプライヤの中で、モノタロウの利用が最も多いです。塗装の養生に利用するマスキングテープや部品の洗浄のために使用するパーツクリーナーは、モノタロウのプライベートブランド商品を利用しています。以前まで購入していた商品よりも安く、品質が良いため、継続して利用しています。
ユーザーの立場から、モノタロウを利用して業務上助かったと感じた点は二つあります。
一点目は、課内の物品調達に要する時間が圧倒的に短くなったことです。
商品検索時には、具体的な商品名称でなく、養生テープやパーツクリーナーなど一般的な商品名称を入力すれば検索結果に表示されます。中にはレアな商品であっても商品の特徴や用途などキーワード検索で多数の商品が表示されることが多いため、商品を探す手間が減りました。
また、モノタロウは当日発送の商品が多く、欲しい商品が欲しい時に届きます。以前は即日手配のためにホームセンターなどに出向いて購入していましたが、モノタロウを利用することで移動する時間や現地でものを探す時間が一切なくなったので、業務短縮に貢献していると感じます。
二点目は、カスタマーサポートが充実していることです。以前、工場の増設にあたり机が必要となったため注文したところ、その商品が欠品とのことで連絡をいただきました。その際に欠品の連絡だけでなく、同等品で納期の早い商品を提案してくださり、工場の増設に間に合わせることができました。その他、分からないことがあって問い合わせた際も丁寧に説明いただけたので、大変助かりました。
(浜田様)私は、上長として物品購入の事前承認をするためにモノタロウを利用していますが、過去の注文履歴を確認できるため、承認時に役立っています。件数の多い少額購入品の場合、Web調達導入以前では紙ベースの捺印承認であったため、在宅では承認作業ができず、捺印承認のために出社するなど、承認するまでの手間がやや煩雑でした。Web調達になってからは在宅での承認ができるので、承認作業にかかる時間を削減できたと感じます。また、コロナ禍においてホームセンターへ出向いて購入するなど、人と接することなく商品の手配ができるようになったことも大きなメリットだと思います。
5.現場へWEB調達の理解浸透までの苦労
【継続したWeb調達の社内向け啓蒙活動】
(福永様)現場担当者は、電話注文に慣れていたこともあり、初めはWeb調達に抵抗があったように見受けられました。ユーザーである現場担当者へは、メリットがないとなかなかすぐには浸透しないと考え、定期的な社内向け説明会やイントラ掲示板へのポスター利用を通して「利便性の向上」といったユーザーが利用するメリットを伝えていくことで、徐々に理解浸透が進んでいきました。
Web調達の理解浸透を進めていくには、購買管理者側だけでなく、現場担当者側にとってもメリットを感じてもらえるように啓蒙していく必要があると思います。モノタロウカタログサイトはユーザーにとって使い勝手の良い事はもちろん、モノタロウのサービス紹介サイトではシュミレーションページなど、啓蒙していく上で参考になる情報があり、非常に助かりました。
こうした地道な活動により、今では現場の社員もよく利用してくれています。購入時の事前承認後、業務で必要な物品を容易に購入できる環境を構築し、透明性の高い購買フローを実現しています。
6.東ソー物流の今後の取り組み
【Web調達の推進、購買活動の把握率を高めたい】
(福永様)今回導入したWeb調達システムにより、間接資材領域の購買業務の大部分が効率化でき、少額案件の概ね半分が把握できるようになりました。しかしながら、まだ課題は残っています。稟議案件でもなく、Web調達にも移行できていないような特殊な物品、少額工事案件などの部分に対して、Web調達システムとは別に、購買ワークフローシステムを導入し、稟議システムと連携しながら稼働しています。しかし、購買担当として納期、価格、品質、取引先などは適切であったかの把握が100%しきれていないのが現実です。
今後も、現場担当者の声を取り入れながら購買活動の改善を続けていきたいですし、購買ワークフローシステムとWeb調達の併用によって、最終的にはWeb調達の利用範囲を広げるなどし、購買活動の把握率を高め、絶えず卓越性を追求し、クオリティアップを目指します。